2022.3.13

元教員が岐阜県入試を分析!【総合得点編】

どうも!

 

T’s(ティーズ)塾長の小川です!

 

前回は,『岐阜県公立高校入試』について,とりあえず平均点から見てみました。

元教員が岐阜県入試を分析!【入門編】

 

元教員が岐阜県入試を分析!【総合得点編】

 

「数学は点数が低く,伸びしろの大きい教科なんだ!」

 

と書いたわけですが,

 

「たったのそれだけでそんなこと言い切っていいの?」

 

と思った方もいたと思います。

 

そんな方は,統計的な考え方のセンスが高めかもしれません。

ちょっとやそっとでは「信じない」という心構えは

 

批判的な思考

 

といって,統計分野で育みたいスキルの1つです。

では,岐阜県公立高校入試の得点にはどんな特徴があるのか,さらに詳しく見ていってみましょう!

 


岐阜県公立高校入試は高得点者が多い!?

前回紹介したように,令和3年度入学までの入試の結果は岐阜県教育委員会から公表されています。

 

詳しいデータはコチラ

 

さて,この中のデータから,今回は総点(5教科の合計得点)について見ていってみましょう!

具体的なデータとしては,令和3年度入学の結果を使っていきます。

まずは,得点結果です。

 

国語 数学 英語 理科 社会 合計
76 48 62 63 67 316

 

何度見ても,数学の平均点の低さは際立っていますね・・・。

そして,

合計点は「316点」。

これは,最近の岐阜県入試ではまぁまぁ高い方でしょうか。

 

さて,問題はここからです。

教育委員会が公表しているデータを見てみると,

この総点(合計点)の『分布』は,次の図のようになっているというわけです。

 

拡大する

引用:https://www.pref.gifu.lg.jp/site/edu/177954.html

 

『分布』というのは,

簡単に言えば「どんな散らばり方をしているか?」ということでしょう。

そして,

令和3年度の高校入試の結果は,明らかに偏り(かたより)が見られるわけです。

具体的には300~450点の間に全体のおよそ『55%』が集まっています。

グラフに表れていることは数値でも確認することができます。

現在は中1で学習することになっている『中央値(メジアン)』と『最頻値(モード)』についても確認してみましょう。

 

ちなみに,

 

  • 中央値=大きさの順番に並べたときにちょうど真ん中の値
  • 最頻値=最も度数の大きい階級の階級値

 

なのですが,わかりにくい方もみえるでしょう。

そんな場合は,

 

  • 中央値=ちょうど真ん中の人
  • 最頻値=グラフの山の頂点

 

くらいに考えてもらえばいいです。

中央値は正確に出すことはできませんが,どの辺りにいるのか,だいだいの値を考えることはできます。

(統計的には中央値が含まれる階級の階級値を使います。)

すると,下の表のようになります。

 

平均値 中央値 最頻値
316 325 375

 

これが何を意味しているか簡単にというと,

 

『この集団は,平均値よりも大きい値が多いですよ』

『かけ離れて小さい値によって平均値が引き下げされていますよ』

 

ということです。

一部の高所得者が押し上げている日本の平均所得の逆バージョンですね。

グラフから何となく読み取れた『高得点への偏り』は数値からもはっきりとしたわけです。

 

最も混戦しているのは岐阜高校ではない

平均点よりも高得点者が多いということが判明したと同時にわかったことがあります。

それは,

 

300~400点の中に,全体の『約40%』もの生徒が集中していた

 

ということです。

出願者の合計がおよそ13000人ですので,だいたい5200人程度ということになります。

とんでもない人数ですね。

 

そして,

 

この5200人が,例えば,各西,長良,岐山,加納,辺りの高校で勝負したとすると,どうでしょうか?

4つの高校の合計定員(普通+理数)が1240人ですので・・・とんでもない倍率です。

 

実際には,いくつかの地域に分かれているので,全員が岐阜地区の学校を受験するということはあり得ません。

ですが,

岐阜県内全体では,それくらい実力が拮抗した中学3年生がいたということです。

 

では,400~449点,そして,450点以上はどうでしょうか?

 

400~449点=16.5% →約2100人

450~500点=6.6% →約850人

 

岐阜高校,岐阜北高校の定員はそれぞれ360人,合わせて720人です。

さらに,大垣北320人,関280人,可児240人,多治見240人,恵那200人(普通+理数),斐太240人まで合わせても2240人です。

こちらもかなり熾烈(しれつ)な闘いであったことがわかりますね。

 

とはいえ,

300~400点までの闘いよりはマシといったところでしょうか。

こうして『分布』も確認してみないと,平均点だけではわからないことも多いわけです。

 

入試について何がわかったのか?

ここまできたら,

あとはわかったことをまとめてみましょう。

何がわかったかというと,

 

 ① 高校入試の得点には偏り(かたより)があり,平均点よりも高得点者が多い。

 ② 300~400点に得点は集中しているが,400~450点についても人数は多い。

 

そして,これらの事実から導き出される結論は,

 

高校入試は350点以上が合格ラインとなるであろう学校を目指す場合,ほんの『数点』が勝負を分ける可能性が高い

 

ということです。

公立高校入試には毎年決まった『ボーダーライン』は存在しません(詳しくは,いずれ書こうと思います)。

集まったメンバーによって,その結果によって,毎年異なります。

『何点以上取れば』みたいな話は可能性の話であって,多くは『眉唾(まゆつば)物』です。

私立高校の入試とは違うわけです。

 

ですが,

これまでは毎年大きくは傾向が変わっていない,というのも事実です。

したがって,

これからも同様に,高得点を狙っていく中3には激戦が待っているという可能性が高いわけです。

 

そうすると,

 

『じゃあ,合格の可能性を高めるにはどうすればいいの?』

 

ということになるわけですが,

ここは,次回,『教科別の得点分布』をもとにして分析を進めていきます。

 

今回は少し長くなってしまいましたが,大切なポイントです。

理解できるまでグラフを見ながら何度か読んでもらえるといいと思います。

 


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